oneself 前編

しばらくしてからハッとして、我にかえる。


仕事だから、仕方のない事。


哲平の性格上、頼まれたら断れないもんね。


それにその事を少しでも早く伝える為に、連絡してきてくれたんだから。


でもやりきれない思いを、あたしは大きくついたため息とともに吐き出した。


今週は普段よりも、今までよりも、1番哲平に早く会いたいと思ってたのに。


待つ側って、こんなにもしんどいんだね。


哲平にも、そんな思いをさせてきたんだもん。


耐えなきゃ…


色んな事を考えながら、ベッドにもぐりこんで、頭から布団をかぶった。


頭の中では、奈美の言葉。


不安な妄想を膨らませながら、あたしはなかなか寝付けずにいた。