oneself 前編

「会った時くらいは、ちょっとでもゆっくりしたいかな」


「そう、それな」


幸子は軽く首を左右に振りながら、ウーロン茶をすすった。


「え?」


「こっちは次の日仕事やねん。また一週間始まると思ったら、ちょっとでも早く寝たいし」


幸子は話しながら、何だか余計にイライラしてるようだった。


「でも、あたしは学校早いで?」


あたしは短大だから、四大の徹よりも、授業は詰めて受けている。


「ん、でも何かさ、社会人と学生って、上手く付き合っていけるんかな~とか、最近考えてまうねんな」


ウーロン茶が残り少なくなったグラスを、幸子はストローでクルクルとかき混ぜた。


「幸子はさ、徹と上手くいってないの?」


「ん、微妙…」


そして二人とも、押し黙ってしまった。