oneself 前編

読んでいる途中に、胸が苦しくなった。


何で?


あたしは何も、変わってないよ。


あたしは哲平の事、今でも大好きだよ。


でもそれは、どれだけあたしが思ってても、哲平に伝わらなきゃ意味のない事で。


あたしは哲平を、不安にさせてたんだ。


メールからは、今まで口にされる事のなかった哲平の気持ちが、痛いほど伝わってきた。


きっといつまでたっても繋がらない携帯にも、哲平は何度もかけていたはず。


あたしだって急に哲平の携帯が繋がらなくなったら、疑ってしまうだろう。


哲平がもしも大学に進んでいたとしたら、周りの存在が気にもなるだろう。


逆の立場になって考えたら、すぐ分かる事なのに…


「ホンマにごめんなさい。哲平が起きたら連絡下さい」


伝えたい事は沢山あるけど、それを上手く文章に出来なくて。


哲平への気持ちは、ちゃんと口にして伝えたいから。


どうか哲平と、仲直りできますように。


そう願いながら、送信ボタンを押した。