―千歳と十六夜がケンカ中のある日―




「千歳ちゃん、大丈夫でしょうか…?」




私達は千歳ちゃんと十六夜くんの二人を残して、四人で帰っていた


二人きりにする事で、仲直りしやすい環境にしようという魂胆だ




だけど、私と悠璃くんはそんなことしても意味がないと思っている


十年以上、一緒にいる幼馴染みだからこそ分かる


あの二人はケンカをすると、口も利きたがらない

特に千歳ちゃんは、顔も見たくないはずだ



だから、四人には悪いけど、意味ないと思うな




「大丈夫ちゃう?心配しすぎやで、琥珀」




相変わらず、茜ちゃんは楽観的だ


でも、心配性の私にとっては、やはり気になる



……仲直りできると良いけど……




「……やはり心配だな」




「満くん…。そう、ですね…」




満くんは、よく十六夜くんと口喧嘩をしてるところを見る


だから十六夜くんのことはある程度は分かっているのだろう


……恐らく、千歳ちゃんの性格も……



私から、いや、誰から見ても満くんは千歳ちゃんのことが好きだということが分かる


しかも、本人はそれを隠してるつもりらしい(バレバレだけど)




だけど、そんな彼を見てると、私の胸はズキズキしてくる


…この気持ち、なんなんだろう