幼なじみの溺愛が危険すぎる。

「颯大!!」


数年ぶりに会った颯大は、がっしりとした逞しい体つきになっていて、

一瞬誰だかわからないほどだった。


けれど、優しく包み込むような笑顔は昔のまま全然変わらない。



1つ年上の颯大は子どもの頃からとにかく強かった。


強くて面白くて優しい颯大は、みんなの人気者だった。

中学に入ってから颯大は全国レベルの大会でばんばん優勝するようになった。


黒髪の短髪で目尻を下げて優しく笑う颯大は、

とてもそんなに強そうには見えないのに

ひとたび道着を着て構えると別人のように目つきが鋭くなる。


「りり花、ちょっと女みたいになったな」


「……もともと女子ですけど?」


「ああ、そうだったっけ?」


含み笑いをしている颯大をチラリと睨む。


「それより先月の空手マガジンみたよ。館長が送ってくれたの。

すごいね、颯大のことが特集されてたね!」



「まだまだこれからだよ。

来月の大会ではもっと上を狙ってるから期待しとけよ?」


「上ってどのくらい?」


そう訊ねると、颯大は自信満々に答えた。


「もちろん優勝に決まってんだろ」



「すごいなぁ。
なんだか、すっかり手の届かないところにいっちゃったね」