「玲音、心配かけてごめんね?」
母さんと目を合わせられないまま
黙って首を振った。
母さんと2人きりになるとなにを話せばいいのかわからなくて、
うまく説明のできない居心地の悪さから、
気がつけば病院から足が遠のくようになっていた。
すると、いつも以上に血色を失い、瞳をくぼませた母さんが、ゆっくりと口を開いた。
「玲音、りりちゃんとケンカしてるの?」
「……え?」
思わず目を見開いた俺をちらりと見ながら母さんは言葉を続けた。
「最近ね、りりちゃん、全く玲音の話をしなくなったの。
だから、私に言えないようなことがあるんだろうな…とは思ってたけど」
荒い呼吸のなか途切れ途切れに話す母さんをじっと見つめた。
母さんに話すことなんてなかった。



