幼なじみの溺愛が危険すぎる。

「中学に入ってから、玲音、部活が忙しくなって全然病院に行かなくなったから……」


それを聞いて、玲音が動きを止めた。


「りり花、もしかして病院に来るために部活…入んなかったの…?」


大きく目を見開いて私に視線を向けた玲音に、首を横に振った。


「誰かのため…とか、そういうんじゃない。

私は自分がやりたいと思ったことしかしてない。

私はおばさんに会いたくてここに来てただけだよ」


扉の向こうにいるおばさんのことを思いながら、じっと玲音を見つめた。



「おばさんはこの病院にいながら毎日、玲音のことを考えてた。

なにもしてあげられないって自分のことを責めながら、毎日玲音のことを考えてたの。

この前作った竜田揚げも、玲音が好きそうだからっておばさんが教えてくれたレシピ通りに作ったの。


だから、おばさんのこと、関係ないなんて言わないでよっ…

"あの人"なんて言い方しないで……」



悔しくて哀しくて、こらえていた涙がポロポロと零れてきた。


静かな廊下に私が鼻をすする音だけが響いた。