僕なんかを…好き…か。
( レフくんはみんなの天使だから私なんか
見向きもしないだろうけど、それでも伝え
たかったです。)
僕は自分の事を天使だなんて
思ったことはない。
お父さんの母国に行けば、
僕のような金髪はいくらでもいるし、
もっと素敵な人がいる。
彼女たちにとっての特別な人って、
僕ではないと思う。
なんだか誕生日の夜にすごく虚しいことを考えていた。
心の中が、ひんやりと冷たい。
どうしてだろう?
誰も僕のことを
知らないからなのかもしれない。
開けていた窓がカタカタと音を立てる。
冬の風が冷たい。
僕はコートを手に取り、
家を出た。
冬の夜空の下で、コートを翻し
街の見えるベンチへと向かう。
そして僕は、
あの子に出逢う。