学校へ行くとクラスメイトが挨拶をする


『レフくーん、おはよ!』

『うん、おはよう』


僕はいつもどおり窓側3列目の席に座ると、

四角い窓に縁どられた寒空を眺める。


(朝は暖かったんだけどな…)



退屈で、変哲もない1日。

それが今日であり、明日なんだ。


これもまた先入観なのではないだろうか。

ちょっとしたことでも世界は回り続けるし、僕の過ごす“今日”にはなんの関係もない。

そう思い込んでいるから、退屈なんだ。



なにかを期待するわけでもない。


僕はいつだって普通を求めているのだから。



『ねえ、レフくん』

『…なに?』

『明日ってレフくんの誕生日だよね!?』

『え、なんで知ってるの?』

『このクラスでレフくんに興味のない人なんていないからだよ!』


そういうものなのだろうか。

僕の誕生日など僕自身も覚えていなかったのに。



『明日の予定は?!』

『ないけど…』

『だったらレフくんの家で誕生会ね!
決定だから!』

『えっ、』

『わぁ~いいねそれ!私も行く!』

『私も~!!レフくんと誕生日過ごしたい~』

『…まあ、いいよ。おいで。』



断る理由など見つからなかった。


今年は一人じゃないんだ。