カーテンから覗く暖かい日差しが

僕の目に差し込んでくる



僕の住む家は少し標高が高く、

外に出れば丘の街が見える。


今は冬だが、暖かい日差しが

この家には降り注ぐ。



『朝か…う~ん。』

いつもと変わらない今日。

お湯を入れ、コーヒーを飲んだ。



テレビを付け、朝の番組を流す。

なにげなくカレンダーに目をやると、

明日の日付の場所に
小さな文字が書いてある。


両親は画家で、海外を転々としているので

この家には僕一人だ。


だからあの小さな文字は僕の字だろう。

記憶はないが。



よく見ると

『 誕生日 』

と、一言書いてあるだけだった。


誕生日…?

誰のだろう。


そんな風にふわふわと考えてみると、


『ああ……僕か…。』


月の感覚が抜けていた僕は、

完全に今が12月ということを忘れていた。



『誕生日…かぁ。』


また、1人なんだろうか。