『レフくんってほんとに綺麗だよね、
天使みたいだよ』




僕はよくそう言われる。

ここは日本だから、金髪が珍しいだけだと思うんだけど。

美しいとか、綺麗だとか。

僕はれっきとした男だし、
僕にとって綺麗と言う言葉は女性に使われるものだと思う。

まあそんな考え方が外国人っぽい、だなんて言われてしまうんだけど。



『美形で羨ましいな~かっこいい!』



かっこいいという言葉は素直に嬉しい。
あんまり意識したことは無いのだけれど。

美形なのかはよくわからない。



『レフくん可愛い~//』



その言葉が一番悩んでしまう。

可愛いって、それは褒められてるのかな?

女の子扱いされてるような気がするんだけど。




父親ゆずりの金髪と青目は、

この日本ではかなり人目に付く。


一応ハーフではあるから、日本には慣れているものの、目立つのはあまり好きじゃない。


学校でも特別扱いされているようで、

ちょっと居心地が悪くなる。


『天使』だなんてみんな言うけれど、

それは見たことのある天使が金髪で青目で

ひょろっこい僕みたいな外国人だからだ。



イメージとは怖い。

先入観なんて、そんなものだ。



林檎、と言われれば赤いものを思い浮かべる。

青かもしれない、黄色いかもしれない。


だが大抵の人は

よく口にする赤い林檎だろう。



もし本当の『天使』がいるのなら、

ぜひ見てみたいものだ。


僕みたいに金髪なのか。

僕みたいな白い肌なのか。



それとも、全く違う“なにか”なのか。