ゴシゴシゴシ


「ちょ、おい!

なんで拭くんだよ。」


いくらなんでも俺の精神ズタズタ。


まあ初めて好きになった、女は意地でもって

惚れさせてやる。


「ノーカウントなんだからね。」


「なんで俺じゃダメなんだよ。」


「ファーストキスは想い合った人とするって

決めてるの!」


「じゃあ未久がカウントするまで

何度でもしてやる。覚悟しろよ?」


そう未久に伝えて、カバンを未久に渡す。

「帰るぞ。送ってやる。」


「え?あ、ありがと。」

ほーらな。こいつ無防備すぎる。


さっきキスされた男にトコトコついて来るなんて

俺じゃなきゃ喰われてたと思う。


暗くなった空を眺めながら、校門を出る。