〜sied由美〜
うっ…
ここどこ?
起きてみるとあたりは真っ白で統一された部屋だった
…病院?
バッ!
「由美!」
…え?
「尚…なんで?」
尚は息を切らしながらこっちへ来た
「ハァ、ハァ」
ギュー
え?
「な…尚?!
「心配かけさせんなよ」…」
そうか、私誰かに後ろから殴られて倒れて病院に連れてこられたんだっけ
でも、尚が心配してくれるなんて嘘
「尚、私はいいから早く会社に行って?」
「ダメだ」
そう、尚が言い切った
期待させないでよ
涙が流れるのを必死で堪えた
「尚、改めて言わしてもらうね」
「??」
「別れよ。尚」
だからあなたは大切な人のそばに
「はぁ?!
何言ってんだよ!
絶対嫌だかんな!!
俺は認めないから!
バカのことを言うな!」
…怒鳴らなくても
でも…
「尚、私知ってるんだよ」
「何を」
なぜか尚は怒った口調だった
「尚には他に好きな人がいるってこと」
「はぁ?!
お前何言ってるの?
意味わかんない」
「だって尚
いつも帰りが遅いし返事もしてくれない
それに、今日電話があったの。
あなたの好きな沙由里さんって人から
だから、別に隠さなくてもいいんだよ
私、全部知ってるから」
頑張って笑顔で言おうとしたのに涙が止まらなかった

