内心、七海くんが放ったボールがわたしはあんな遠いんじゃ入るわけないと思った。
だけどボールはどんどんゴールに向かって飛んで行っていて
―シュッ
ボードに当たることなくリングに吸い込まれて行った。
歓声の声が湧く中、試合終了を示すホイッスルも鳴って
得点も24-25で七海くんのチームの逆転勝利で試合が終わった。
コートの中には応援していた1年生のクラスの子たちが詰め寄っていて、女子達は特に七海くんのところに行っていた。
「七海くんすごいっ!」「最後のスリーポイントかっこよかったよ!」「七海くんってスポーツなんでもできるんだね!」
そんな声がわたしの耳に届いて、なんだかモヤモヤしてきたんだ。

