「バカにしてるでしょ?」 「全然してません。本当に先輩が可愛いと思っただけです! でもそろそろ帰りのホームルームが始まるから戻らないと」 七海くんは「はいっ」と言ってわたしに左手を差し出す。 その手を優しくぎゅっと右手で繋ぐとわたしたちは体育館を後にした。 七海くんのことはまだ好きかどうか分からない。 それでも七海くんはわたしの頭に1日に何回もすぐに浮かんでくるようなひと。 それくらいいつの間にかわたしの心の中に入ってきていたんだ。