「……先輩、今の嘘だって言ってください。 嘘だって言わなかったら……怒りますからね」 七海くんはわたしの目を見つめたまま離してくれない。 彼との距離が近すぎて、心臓がどんどん加速してドキドキ言う。 ずっと見つめてくるから、直視できなくて思わず七海くんから背けると……。 「瑞希先輩、ちゃんと見てください。 僕、嫌です。先輩が他の男の人を見るなんて…… 気になる人がいるなんてそんなの嫌です…」 七海くんの声は語尾に近づくたびにどんどん消え入りそうになりながら話していた。