わたしはそのまま後ろ向きのまま足を一歩一歩進める。
口から出てきた嘘が今度こそ通じるかビクビクしながら七海くんの反応を待つけど何も答えてくれない。
「七海くん、今日2年生と初戦で試合した時すごく女子達からかっこいいって言われてたじゃん。
こんないつもテキトーにしか対応してくれない、興味も持たないわたしよりもそういう女の子たちの方が絶対いいって!
七海くんだって女の子たちに囲まれてて嬉しそうだったし」
「…………」
後ろ向きで進めていた足はトンっとかかとが壁に当たって動けなくなった。
わたしについてくる七海くんは未だに何も話すことなく無言で、少し怒ったオーラを放ってる気がする。
どうして何も話さないだろうと思いながら彼を見つめると
わたしの顔の真横にドンっと音をたてて七海くんが右手を置いた。

