キミの嘘はスキの裏返し。




一度振り返ったのに、わたしはまた前を向いて体育館を出ようと走り出した。



「ちょっと、先輩!」



と慌てた七海くん。



七海くんは体育館に入ると、すぐに走っていたわたしの手首を簡単に掴んだ。



「なんで声掛けたのに無視するんですか!!



僕は先輩見つけて走ってきたのに」



「離してっ!」



わたしは手首を思いっきり振りほどいて、七海くんから離れようとそのまま後ろに足を一歩一歩動かす。



びっくりした表情を浮かべる七海くんは何も言わない。



「もうわたしに付きまとわないで!



友達に紹介してもらって……気になる人だって本当にできたんだからもう七海くんに関わってほしくない!」