みんなが制服に着替える準備をしてるのを見て、わたしも着替えなきゃと思った時、体育館にタオルを置きっぱなしにしてきたことに気付いた。
帰りのホームルームが始まるまでに取りに行って来なきゃ!
わたしは急いで教室を飛び出すと、校舎に戻ってくる生徒たちの中を逆走しながら体育館に向かった。
体育館は全てのドアが開いてるけど、水銀灯が消えていて、もう人は誰もいない。
上履きを脱いでちょっと滑りながらもステージに見えた1枚のタオルのところに走った。
「あった!良かった~」
白地に水色のドット柄のタオルを手に掴むと、教室に戻ろうと走り出した時
「せーんぱーい!」
という聞き覚えのある声が聞こえてきた。
わたしはその声に振り返ると、七海くんは外にいてこっちに向かって走ってくる。

