いつも「せーんぱい!」って来てくれた七海くんをかっこいいと思う女子達があんなにいて
囲まれてる七海くんも嫌がるどころか喜んでいて、わたしに見せてくれるにこっとした笑顔を彼女たちにも普通に見せている。
そんな笑顔を見せてくれるのは自分だけだと思ったのに、そういう訳じゃなくてショックで。
誰にも見せるんだったら、わたしみたいにテキトーに七海くんを扱う人じゃなくて
向こうから来てくれるあの子たちに付きまとえばいいのに。
「もう……七海くんなんて知らない」
わたしはこれ以上七海くんを見ていたくなくて一人で体育館を出た。

