さりげない気配りのできる人で、デートのたびに、いつもちょっとしたサプライズを用意してくれたりした。 


筆まめで、誕生日やクリスマスなどの記念日には、必ずメッセージカードも贈ってくれた。 


カードのデザインも、さすがマスコミ業界に籍を置くだけあって、オシャレなデザインばかりだった。


付き合っている頃から続いているから、だいぶカードも貯まったかな……。



プレゼントも私の好みを彼なりに考えて、チョイスしてくれた。 



『真理の喜ぶ顔が見たい』と、自らイベントを楽しんでいた拓也。



『真理とともに、幸せな人生を歩んでいきたい』



『真理は、俺にとってかけがえのない人だ』と、熱く語っていたあの頃――…



拓也の真剣な眼差しとともに、走馬灯のように蘇ってきた。



拓也の喜ぶ姿を見ているうちに、じわじわと、お腹に赤ちゃんがいるという実感が湧いてきた――。