ここ、椿魔法学校は世界で3本の指に入るほどの魔法学校だ。
そして今がちょうど満開の43本の桜の木が新入生を出迎える。
あたし、椎名 翼(しいな つばさ)は門のド真ん中で足を止めていた。
いや…でかすぎでしょ…。
「新入生の皆さーん。魔力測定をするので並んでくださーい。」
その声で現実へと引き戻される。
その瞬間風が優しく吹いた。
桜の花びらが枝から落ち風で舞う。
見惚れていたら背中にドンと衝撃が走り、その反動で前のめりになった。
あ、転ぶ!
目をぎゅっと閉じた瞬間体がフワッと軽くなった。
そのままグイッと腕を引かれ、誰かが助けてくれたということがわかる。
時系魔法を使っていないのに時間がとても遅く感じた。
焦った表情を浮かべる君と目が合う。
あ、桜が綺麗。
これがあたしと君の出会い。