嘘をつく、その瞬間。


「ふふ。」

私は、自分をせせら笑った。

「……っ、心華────。」

視界が滲む。鼻の奥がツンとする。

熱い、熱い。

「心、華……、ごめんね……。

幸せに、できなくて……ごめん、なさい……。」

ポツリ、ポツリと呟く。

そう、言っても心華は許してはくれないだろう。

『もう───っ、これ以上!!

心華やおばさんを傷つけないで!』

『ま、待て!

やめろっ、やめてくれ……!

ひぃぃぃ!』

───あぁ、鬱陶しい。

苛々する。

早く、早く、早く─────っ。

「消えれば、良いのに。」

自分は、今────。

どんな顔をしているんだろう。

*碧奈side end*

君を、幸せにできなかった。それが私の罪だ。