キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~



食事を終えたあと、私たちはお店に飾る雑貨を探して歩く。

ディスプレイとは難しいもので、ただメガネを綺麗に並べればいいというものでもないらしい。


「今置いてある和雑貨。あんなもの一刻も早く撤去したいんだ」

「撤去していいんですか?」


店長が言っているのは、地区長が買ってきて置いていったというディスプレイ用の雑貨のこと。

小さな鯛とか毬とか、ほのぼのしていていいような気がするけど……。


「一か月も我慢して置いてやったんだ。数字が良けりゃ、地区長は何にも言わないさ」


矢崎店長曰く、ガラス台の上のブランドフレームと和雑貨がミスマッチとのこと。

そう言われれば……フェラガモのメガネの横に可愛い和風の鴨の置物が置いてあったような。あれはたしかに寒いかも。

店長の後をついて、おしゃれな雑貨店のテナントを渡り歩く。

つい自分用のヘアアクセだとかピアスに目がいってしまいそうになるけど、怒られるといけないので真剣に小さな置物を見ることに。


「あ、これ可愛いです」


私が指さしたのは、カエルが様々なポーズを取っている、シリーズものの置物。

リアルなカエルじゃなくて、二本足で立っていて赤いパンツをはき、優しい顔立ちをしている。


「俺の店にラブリーさはいらん。あと、カエルが嫌いな女性もいるから却下」


と、あっさり人の意見を却下したワンマン店長は、小さな瓶の中に丸めた手紙が入っている置物を手に取っていた。