キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~



ちなみにメガネは前に寮で見たことのあるカジュアルな大きいスクエア型の黒いプラスチックフレーム。

高浜さんの、変な……もとい、大学生みたいなパーカーより全然いいじゃないですか!と、心の中で称賛してみる。


ちなみに私は、腰のところで切り替えになっているシフォンワンピース。

上は白くて胸にリボンがついていて、下は深緑に白いドット柄。

パンプスはベージュだけど、ちょっと子供っぽかったかしらん。


「あ、そう。ならいいけど、これからは他人のデート現場に乱入するなよな」

「はあい……」


矢崎店長は私の服装にコメントすることなく、ぐるりと周囲を見回す。


「朝からろくなもん食べてなくて、腹が減ってんだよな」


どうやら本社から帰ってきてそのまま寝てしまったらしい。

気づけば、寮に朝食べられそうな食材がなかったと、矢崎店長はぼそっと言った。

しょうがないよね。食パンとか残ったおかずをちまちま冷凍している矢崎店長なんて、想像できないし。


「じゃあ、先にお昼食べましょうよ」


飲食店エリアだけあって、周囲から美味しそうなにおいがしてくる。


「だな。何食いたい?」

「えっと……パスタ……とか?」


我ながらベタだなと思いながら、一応提案してみる。

だって、結局モールの中の飲食店街、そんなに特別話題のお店も、珍しい食べ物もないんだもん。