キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~



「麻耶、ゆっくり話したければ、後で迎えに来るよ」

「えっいいの?」


高浜さんが腰を上げかける。


「あっ、すみません、突然乱入して。私もこれから待ち合わせなので、どうぞお気になさらず」

「そうですよ。うちの椎名がご迷惑をおかけしました。すぐに行きますので」


え?

背後から聞き覚えのある声がして、立ち上がると同時に振り返る。

そこには、私服の矢崎店長が。


「あれっ、はっちゃんも、彼氏……」

「ち、違う!この人は……」

「行くぞ、ハツ。これ以上ラブラブカップルの邪魔をするような野暮な真似はやめろ」


それはそうだけど~!

麻耶ちゃんがキラキラした目でこっちを見てる。絶対、誤解されてる。


「はっちゃん、これ新しい連絡先!またゆっくり話そうね!」


急いで手帳を取り出し、自分の番号とアドレスを書いて、そのページを破ってくれた麻耶ちゃん。

それを受け取ると同時、矢崎店長は私の手をとり、さっさとその場から立ち去った。