座っていてもわかる、がっしりした体型に、切れ長の目のイケメンさん。
だけど、いい大人なのに安そうなパーカーを着ていて、ちょっと残念。
「あ、この人は……ええと、私の……」
「彼氏なの?彼氏でしょ?彼氏なのよね?」
「はっちゃん……まあ、その通りだけど」
興奮した私に、麻耶ちゃんは恥ずかしそうにうなずいた。
「初めまして!麻耶ちゃんには以前お仕事でお世話になりました。椎名初芽です」
「これはご丁寧にどうも。高浜と申します」
高浜さんは、少し頭を下げるとにこりと笑った。
な、なんとも人畜無害そうな笑顔……!
「ちょっと、どこでこんなイケメンさんつかまえたの?」
2か月ぶりの再会だというのに、麻耶ちゃんの体調や仕事のことより、イケメンさんが気になって仕方ない。
「ええと……ちょっと、事件というか事故にあって、そのときお世話になった警察の人なの」
「えっ、事故?大丈夫なの?」
事故とは穏やかじゃない。
「うん、大丈夫。ありがとう」
そう言い、麻耶ちゃんは幸せそうに笑った。
なによ、なによ~!
事故に遭ったのは気の毒だけど、そこで知り合ったイケメン警察官と恋に落ちるなんて、麻耶ちゃんボーっとしてるように見えて、やるじゃん!
「いいなあ~。こんな優しそうなイケメン彼氏……うらやましいったらないわ……」
思わず本音がポロリ。
ストレートにイケメンと言われた高浜さんは、困ったような顔で笑っていた。



