キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~



メンバー紹介が終わったあと、店長は今日の予算や連絡事項を述べる。

そのあと、各々店舗内の清掃など、開店準備に取り掛かった。

はあ……なんかもう疲れた。

入り口前の植栽に水でもあげながらまったりしよう……。


違う店舗とは言えども、同じ会社のチェーン店。

やることはさほど変わらないはずだし……と思っていた私を、店長が手招きした。


「はい、なんでしょうか……」

「お前の毎朝の仕事はコレ。二階に持っていって、洗ってこい。洗濯機使っていいから」


指さされた加工台の上を見ると、汚れた業務用メガネ拭きが山になっていた。

前の店では、パートさんがお休みの日に持ち帰って、洗濯してくれていた。


「二階に洗濯機があるんですか?」


路面店の二階は、だいたい地区会議などに使われる会議室と倉庫を兼ねていると決まっているけれど……。


「ああ。言うまでもないと思うけど、ボタン押したら戻って来いよ」


ぐ……バカにされてる。

いくら私でも、脱水が終わるまで、ずっと洗濯槽を見てぼんやりしているわけないじゃない。


「はい。行ってきます」


私はメガネ拭きを抱え、二階の階段を上がっていった。

重たいドアを開き、私は絶句する。