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「雨音、何もここまでしなくても……」
そう訴える彼は、ただいまベッド上。絶対安静なので、彼には一歩たりとも歩かせてはならないためにしたことが、不満らしい。
「ダメです。そうまでしないと、さっきみたく、私が料理している時に『手伝うよ』と松葉杖ついてくるじゃないですか!」
思わず、マヨネーズ取って下さいと言うほどナチュラルに来た患者をベッドに強制連行させ、もうこれ以上動かないように、手錠して拘束した。
それが彼の不満らしい。
「雨音に使うためにあるものなのだけど」
「手錠は男女兼用です」
「至極真っ当なご意見で……」
諦めたのか、溜め息を吐く彼。
「二週間の辛抱ですよ。それまで、身の回りのことは私が全てやりますからね」
「少しでも楽しみたいから、ナースの制服になってくれないか?ゴールデンウイークに楽しめるよう、色々と注文した中に確かあったはず」
「あんなミニスカじゃ、逆に動き辛い!」
雷を落とせば、謝られた。
「雨音、抱きしめたいのだけど」
「完治した後にです」
「俺より立派に監禁しているようで」
その自覚はなかったけど、確かに彼のことを監禁してしまっている。
しかして、これも仕事だ。
雇用主の健康がため、働く。立派な職務じゃないか。
「二週間の辛抱か……。二週間後が楽しみだ」
何やら楽しみを見いだす彼に、食事を食べさせる。手は使えるよの意見は聞かなかったふり。あーんと食べる彼がかわいーーいや、絶対安静の患者は指先一つ動かしてはいけないんだ。
「雨音、いつもの料理よりだいぶ味が薄いような」
「病院食で検索して出て来た料理を作りました」
「仕事となると、雨音は徹底的だよね……」
「あなたのことともなれば、一生懸命にもなりますよ」
「腕を切り落としてでも抜け出して、キスしたい」
「落とさない落とさない。分かりましたよ。本日の給料として、もらいます」
※監禁することが、お仕事です。


