ーー
新垣さんが入院することになってしまった。
会社からの了解も得たらしい。
「えっと、入院時に必要な物の準備は」
「雨音、雨音」
「ただ部屋に戻るだけですから、今生の別れのように手を握らないで下さい」
ベッドで横になる彼だが、私の手を握ったままなので、落ちそうになっている。
「やっぱりダメだ。君を一人には出来ない」
「お見舞いには毎日来ますし、面会時間ギリギリまでいるようにしますから。まさか、病院に泊まる訳にはいきませんし」
「雨音、ナースにならないか」
※彼は時折、とてつもなく頭が悪くなります。


