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「あー、右足骨折(い)っちゃってるねー。駄目だわ、これ」
医者の宣告に、彼共々私まで、骨折の文字が重くのしかかってきた。
私は無傷に対し、彼は右足骨折。
多分は、私をかばったせいで、彼は痛めなくていい部位を損傷してしまったのだろう。そうしてーー
「成人男性を押し倒し、右足を骨折させるほど、私の体重があああぁ!」
「先生すみません。彼女が傷つきますので、骨折ではなく俺も無傷扱いにしといて下さい」
「あ、先生外科医だから。心のケアは専門外だから、真実しか言わないから」
「きっと、お相撲さん体重なんだああぁ!」
「雨音、鏡見ようか」
※彼よりも深い傷が、彼女の心に。


