ますます監禁されますが、お仕事です


ーー

彼がおもむろに近づき、雑誌の表紙に書いてある『女性に大人気!壁ドン!』の文字を指差す。

頷き、立ち上がり、壁まで移動。
壁に背をつけ、来るなら来いとの視線を彼に投げつける。

待ちかまえているわけだが、彼は何故だか首を横に振る。

ハテナ。
肩を掴まれ、回れ右を強制された。

壁と向き合ってしまった。真後ろに彼がいる。因みにここまで、サイレントだが、さすがにこの状態で壁ドンなのか?と物申す時ーーうなじを舐められた。

自身でも驚くほどの引きつるような悲鳴が出てしまう。

「あ、壁ドンやっぱりいいんだ。凄い声」

「ちがうちがうちがう!」

これ壁ドン違うっ、と、背面より回される腕を拒んでみる。

「壁ドンを何と誤解しているので!?」

「壁に手をつきながら、その状態でどんどんやること」

「壁にパンチすることを壁ドン言う勘違いの方がまだ自然なレベルの勘違いをしておいでで!?」

「こう、後ろからするのと、前からするのを比べて。やっぱり向き合っていた方が、互いをよく感じられるねと実感して、より愛を深める行為かと思った。一度ならず二度までも楽しめる壁ドン」

「とりあえず、この雑誌の中身をよく読んで下さい……」


※彼女の脳内で、『もう一回遊べるドン!』と再生された時です。