アイスクリームの美味しい食し方

店長とお姉さんが
二度目の結婚式を挙げるのだから。

二度目だけど、
今日が本物なんだ、
ってお姉さんが言っていた。

一度目は、自分のわがまま、
今回は心から誓える、と。

私は、チャペルの席に座り、
似たようなことを新が
言ったのを思い出した。

私を初めてトロワに連れてきた時、
私たちの同居生活は、
3日も続かなかった。

「あれは、俺のわがままです。
好きな子がピンチだって分かって、
俺が絶対守る!って思ったんです。

だけど、無理に連れてきただけで、
何にも準備なんて出来てなかった。
チカのこと、お母さんのこと、
現実なんて全然受け入れられてなかった。」

新は気まずそうに笑った。
なんだか最近の新は
本当に大人っぽいというか、
安心感があるというか…。

「そんな時から好きでいてくれたの?
もしかして、あのお母さんに、
け、結婚を前提とか冗談じゃなかったわけ?」
私は、思わず聞いてしまった。


「ふっ。
本気に決まってます。
確かに焦りすぎましたが、
今となってはお母さんに言えてよかったです。

っていうか
もっともっと前からですよ。
だから、公園で話しかける時、
すげー緊張しました。

近くでみるとめちゃくちゃ可愛いし、
何かたまんなくなっちゃって、
実は押し倒しちゃいそうでした。


まぁ、実際、辛抱たまらなくて、
キスしたり、ちょっとフライングしちゅいましたけど、
そういう準備も出来てなかったんです。」

「…。は、恥ずかしい。

あの時、新って俺に近づくなオーラ半端なかったから、
そんなこと思わなかったな。」

私は、照れながらも当時を思い出した。

「もう、あの時は、自信がなかったんです。

ただ、チカが近くにいると、
泣かれてもいいから、
自分のものにしてしまいたかったんです。

だから、チカに出来るだけ
近寄らないようにしたのですが…。」

新ははぁっとため息をついた。

「っ!嘘!そんなことで?!」

「そんなことって言わないでください。

初恋だから、わからなかったんです。
どう接したらいいか、
触れたくて、
触れると止まんなくなって、
チカが他の人話すだけで、
他の人を見るだけでも、
気が狂いそうになりました。

いっそ、
誰の目にも触れないよう監禁して
俺のものにしたい、なんて
本気で思いました。」

ぐっ。
お姉さんと同じ血が流れてるな。

「よく、私が出て行くの、
我慢?できたね。」

私はからかうように言った。

「現実的だったから。
どちらにせよ、
あの生活は長くもたなかった。
子どものままごとだ。

お母さんの入院費、
お母さんのことをどうやって
受け入れられるか、
チカの学費や生活費、
法的な手続きはどうしたらいいか。

あれから2ヶ月、
お母さんと話しあいながら、
少しづつ準備していったんです。」

新は愛おしそうに
私を見つめた。

あぁ、こういうのを
包容力っていうのかな。

私は、新を抱き締めた。


「ありがとう。」


私を好きになってくれて
本当にありがとう。