「チカ?頼むから言って!
姉さんは、自分の欲望を最優先させる。
本当に何されるか分からない!
君は何にも分からないでしょう!」

ぷつん。
私の何かが切れた。

「私には分からないって?」

「チカ?」


「分かるよ!」
私は叫んだ。
絶対聞こえるように。

「私にだって分かる!

好きで好きでどうしたらいいか分からなくて、
相手の気持ちも分からなくて、
自分が何してるかも分からなくて、
止めらんなくて、

そんな気持ちが分かる!」

私は爆発するように叫んだ。

「ちょ…落ち着けっ」

新は私にそう言うがもう遅い。

「新にこそわかんないよ!
私がどんな気持ちでいたと思ってんのよ!
期待させるだけさせといて、
毎回凹むのは私なんだからねっ!」

私の口はもう止まらなかった。

「何の話?ちょ…チカちゃ〜ん?」

新の宥める声が余計に腹立たしい。

「明日のうちの文化祭に
店長を必ず連れてきて。

連れてこなかったら、
私は家に帰らない。」

私はそう言って、
電話を切ってやった。