きみとわたしの365日

帰り際


イケメン、そしてかなり頭も良いみーちゃんはたくさんの女子に机の周りを囲まれていた。


質問をたくさんされて、かなり困っている様子。


…一緒に帰りたいなぁ


せっかく再会できたのだから、いろいろ話したりして帰りたい。


でもなんだか声がかけずらい。
葛藤がわたしの中で駆け巡る。


気持ちの天秤は、「一緒に帰る」に傾きかけている。そんな時、


「瑞樹くん家どこ?一緒に帰ろうよー」


という声が耳に入った瞬間、「一人で帰る」なんていう選択肢は天秤の上から吹っ飛んだ。


そんなこと、させるものか。
みーちゃんはわたしと帰るんだから。


幼い頃のわがまま精神が、私の中で復活した。違う人と帰ってるみーちゃんを見たくなかった。


謎の独占欲が溢れ出して、わたしは迷わずみーちゃんの机に近づいてその手を取った。


「みーちゃん、帰ろ!」


幼い時と同じように声をかける。瑞樹はすごく驚いた顔をしていたけれど、周りの女子が何か言いそうな顔をしていたから何振り構わずぐいぐい手を引っ張る。


そして逃げるように走り出す。


走り出してから、やってしまった!という感情でいっぱいになる。


みーちゃんといっても、男子の手を引いて走る女子ってどうなのよ!
わたしのばか!いつも感じるがままに動いちゃう。



…でも、なんだか懐かしいこの感じ。昔もこんな風に手を引いて歩いたっけ。


暖かい気持ちでいっぱいになってずっとこのまま走っていたい、そう思った。