俺たちは、子ども向けのイベントを主催しながら各地を回っている。 今日のような都会の遊園地でやる事もあれば、地方のこじんまりとしたイベントに出演する事もある。 要は日本全国津々浦々、声がかかればどこへだって出向くのだ。 「あっそうだ。タカさん、これ」 突然サクが思い出したように自分の鞄の中をまさぐり始めた。 「頼まれてたタバコ。」 「お。サンキュ」 サクの手からいつものマルボロを受け取って、代金の小銭を渡す。