私にだって友達がいないわけじゃない。
宮野実矢、どこにでもいる普通の女子。
私とは違うクラスだから、うまくやっていけるって感じ。
私にとっては唯一無二の友達。
よく遊ぼうって誘ったりする。
でも、実矢は普通の女子だから、他にも友達がいたりする。
そして親友は私ではない他のクラスの子。
遊ぶのもその子の方が多い。
実矢には私の代わりがいる。
でも私には実矢の代わりはいない。
別に実矢が薄情者ってわけじゃない。
むしろ優しいくらい。
だけどさ、『友達と行動する』ということにおいて、実矢は私以外にもたくさんいる。
でも私には実矢しかいない。
こういうことだ。
よくクラスの人が友達とうまくいかなくて泣いてたりするが、あんたはまだ慰めてくれるからいいじゃねーか。
私はあんたなんかより何倍もつらい思いをしてるのに慰めてくれる人なんていない。
逆にキモいって言われる。
あんたにはこの気持ちが一生わかんないんだ。
実矢も友達だけど親友じゃない。
実矢に相談したってすべて分かってもらえるわけじゃないんだ。
