しばらくたったある日、


「ねぇねぇ真琴姉さん!」


京雅の妹、月陽(つきひ)が大きな段ボールをもって編み物をしている真琴に近寄る。


「なぁに?」


「赤ちゃんの名前どうすんの?」


「そう…だね…どうしようか…。」


「真琴姉さまはどのようにお考えなんですの?」


京雅の妹、月陽の双子の妹、月琉(つきる)が言う。


「私?私は…その時に考えるかなぁ~…」


「えぇ!?なんでなんで!?」


月陽が乗り出して言う。


「え?うーん…確かに前もって決めることも大切だけど、そんなに急がなくてもいいかな?って…。」


「そうですわね。生まれてくる子はやはり蓮王寺家を継がなくてはいけませんからね…。」


「そうなるね…男の子だから。」