「俺には好きな人がいる。」
唐突に川谷が話し始めた。
俺はなにも言えなかった。
「それって誰?」
「ごめんまだ言えない。」
その顔が真剣でなぜかは聞けなかった。
「その子のことは最初は可愛いなーぐらいだったんだけど、可愛いが好きに変わったんだ。」
知らなかったそんなことがあったなんて。
「告らないの?」
「告るつもり。来年の夏の大会後に。」
そんときにお前にも教えてやるよ。と川谷は笑った。
「それじゃあ、勝たなきゃな。ダブルス」
「お前も協力してくれるか?」
「当たり前だろ?絶対勝とうぜ!
夏の大会!全国までいこぜ!」


