「俺、音羽のこと全然わかってなかったから。」


俺が昔この事を知ったらなんでこんなくらいで、と笑っていただろう。


でも今はそんなことはしない。


恋の辛さを、知ったから。


「べ、別に何もないけど…?」


「まぁ、そういうことだから。」


俺たちはドア越しで話した。



俺は思った。

音羽のこと考えてあげなきゃな、と。