また同じ場所にきた。


「なんだよ川谷。」


久しぶりに話す川谷は怒っていた。


「お前は高橋に会って変わった。いい方に。でも今は違う。お前は空野に会って変わった。悪い方に。」


静かに話しているけど、俺は聞いたことのない感情の声だった。


これは怒りだ。


「そんな話聞きにきた訳じゃないんだけど。」


そういうと、川谷は一歩、また一歩と俺の方に歩き始めた。


俺もそれにあわせて後ずさる。


繰り返しているとついに俺の背中が校舎の壁についた。