みんな、勿論奈緒も覚悟を決めてこの場所にいる。
「学園長のお言葉。」
その言葉で舞台に姿をあらわす学園長、佐原静香。
あいつがこの学園を支配している女。
とても五十代とは思えないほど美しい容姿だ。
周りにはボディーガードとしてガタイのいい男が数人いる。
しかも、佐原静香の周りには結界が何重にもなっている。
「自分の身は自分で守りなさい。」
堂々とした立ち振る舞いの佐原静香はそう言い放つ。
そう。それがあいつの座右の銘。
そしてこの学校で生き残っていくために必要なもの。
早々と立ち去った学園長。
式も終わり、指定されたクラスへ移動する。


