隣に座る白崎。

『よ、よろしくね』

「…」

…無視ですか。


なにこいつ。


「んじゃ、みんな仲良くな!」


そう言い出て行くハゲ野。


ハゲ野が出て行った瞬間みんなが一斉に集まってくる。

茜は集まってくるみんなに押しのけられる。

髪の毛がボサボサになり、不機嫌になる茜。

『ちょっとぉー!』


急いでトイレへ駆け込む。


『髪の毛は女の命なんだからね!』

髪を整えていると鏡に黒い影が写り込んだ。

その瞬間身体が石のように動かなった。



やばい。見ちゃダメだ。

身体からのSOSを感じながらも目を動かす。


おっきな牙を持った黒い物体がこちらを見据える。

ドクン、ドクン。


身体が心臓になったようだった。


黒い物体は重い牙をゆっくりと持ち上げ口を大きく開ける。


逃げないとっ!

だが、身体はうごかないままだ。

動けっ…。動け。動け。動いて!!