『あー!もう!』
そう言いながら頭を掻く。
『どうしてあたしがあのハゲ野に仕事押し付けられなくちゃいけなわけ!?日直の制度やめてくんないかな!』
帰るのが遅くなり頭に血が上っているあたし、山口茜は怒りの矛先をどこに向ければいいかわからず地団駄踏んでいた。
この時間だと、夏は明るかったであろうが今は冬なので真っ暗なうえに気温がとても低かった。
寒いのが苦手な茜は手袋・マフラーは欠かせずあまりに寒い時は厚手のコートを羽織っているぐらいだった。
『なんでこんなに寒いのよ!』
喋る度に白い息が出る。
『この!クソハゲ野め!』
そう言いながら足元の石を思いっきり蹴った。