まあ、いつかは来ると思ってたよ、この問いかけ。

正直に言ったほうが身のためかな。


「ちょっと、私と渚喧嘩しちゃって……」


私は先輩から目をそらしながらそういうと、先輩は目をまんまるにして私を見つめる。


「渚と……喧嘩?渚家飛び出していったかんじ?」

「……はい」

「まじかよー」

「はい」

「ちょ、俺探してくるから、優愛ちゃんここでまってて」

「え、いや、私が……「いいから。あいつの行くとこ俺のほうが多分知ってるし。優愛ちゃんここでまってて。いいね」


先輩は明らかに慌てている。

大事な幼馴染が心配なのかな?

それとも、もしかしたら……


「あのー……」


私は、今にも走り出しそうな先輩に向かって声を飛ばす。


「渚のこと、好きなんですか?……幼馴染としてではなくて……」


私がそういうと、先輩は優しく笑った。

いつもの先輩の笑顔じゃなくて、すっごく優しい笑顔。

私でも少しドキっとしたくらいだ。


「好きだよ……。これ、内緒な?」


そういって、先輩は夜のこの街に消えてしまった。

心がほかほかする。

なんだろう。

この気持ち。


そうか、うれしいんだ、私。

先輩が渚のことを好きで入れてうれしいんだ。