_____ガタン…ゴトン……ガタン…ゴトン……


今朝変な夢を見たせいで、なんだか体が重たい。

そして眠たい。

ばあちゃんの家からこっちに帰ってきて一週間が既にたった。

陽向とは別にあれからなんの音沙汰もなく、夏休み前の日常に戻ったようだ。

だけど、ひとつだけ。

ひとつだけ以前と違うことがある。

それは、毎晩毎晩おんなじ夢ばかり見る。

毎晩幼い私が真っ暗な夜の森のなかで一人泣きわめいてるって言う夢。

いつもはそれで終わっちゃうんだけど、今日は少し違った。

誰が私を見つけてくれた。

誰だったんだろう。

なんて、考えても答えが分かるわけはなく、丁度停車駅についた。

そうだ。

学校いかないと。

めんどくさい。

なんて思いながら重たい腰をあげて、私はゆっくりと電車を降りた。

んー。

なんかフラフラする。

睡眠不足のせいだ。

絶対。

そう思いながら、不確かな足取りで私はゆっくりと学校へ向かった。

なんとか、学校について、私はいつも通り紗英の自慢話に耳を傾け、里咲の悪口に適当に相槌をうつ。

もちろん、始終私の耳はトンネル状態。

適当にうんうんっていっておけばこの人たちは満足するんだきっと。

授業中は、寝れない。

だって、テスト近いし。

悪い点数とかとったら、お母さんに怒られちゃうし。

何がなんでも寝ない。

だから、先生は私をきっと真面目で優秀な生徒だって思ってる。

それはありがたいけど、たまに誰もわからない問題を私にふってくるのだけはやめてほしい。

ほとんど答えられる問題なのだが、ここで答えたら目立つし、きっと紗英や里咲の気にさわってしまう。

だからいつも”わかりません”と答える。

これがこの世界でうまくやっていくコツ。

そんなこんなで、やっと放課後になり、今日は本当に体が悲鳴をあげていたため、私は紗英に体調が悪いからといって、早めに帰ることにした。

帰り道の私の足取りは、本当に重たかった。

本当にこれで進んでいるのかというほどのスピードでやっと駅にたどり着き、電車に乗る。

私のかおがよほど悪かったのか、電車に乗った瞬間、若い女の人が私に席を譲ってくれた。

うん。

これは本当にありがたい。

私は軽くお礼をいって、席に座る。