闇は、縁先から座敷にも、這い上がっている。 母の仕事場の裁ち板の上にあたしのスマートホンが置かれている。 その部分だけ白っぽく光の量が増したように浮かび上がり、 母とあたしの間の空気には、闇が漂っている。