story8. 先ほどから、男の子が水筒をさげたまま、走り回ったり、 吊革にぶらさがったりしている。 若い母親も父親も何も言わない。 父親の方は、半分居眠りをしている。 疲れているのかもしれない。 それにしてもよく晴れた、連休にふさわしい日だ。 あいにく、五月三日は雨にたたられたが、 それも、その日の夕暮れにはあがり、 今日は少し蒸し暑いくらいだ。