彼があたしを抱くとき


扉をあけると、階段の下から風が吹き上げている。

コートのポケットに手を入れて歩くあたしのあとを、丸山くんも歩く。

なんで、キスしようなんて言ったのだろう。

なんだか急にしてみたくなった。

今日も岸谷に会えなかったからかもしれない。