彼があたしを抱くとき


岸谷はひどく人間くさい。

人が生きる時には、他の生物を食べ、排泄をする。

生きることは、ほの暗い後ろめたさを、人々と共有することではないのか。

岸谷は性欲をおさえられず、
あたしは自分かわいさに嘘をついた。

だからうまくいくのではないか。

あたしには疑問詞ばかりがあとからあとから、湧きあがった。